1月某日、今年のエキストラ「初仕事」は、なんちゅうか「ひどく長い一日」になってしまいました。
順を追って書くと、まずは朝早く都心某所に集合、「クラブの客」の役。
ドレスアップした「クラブのホステス役」の若い女性エキストラも多数参加しており、現場の雰囲気は華やか。ちょっと寒かったけど、なかなか楽しい撮影でありました。
で、そのあと男性エキストラのみ連れ立って、郊外に電車で移動。別の男性エキストラ10人ほどと合流し、昼食後に「刑事」役で2カットの撮影に参加。
こちらは一転、エキストラも俳優も男ばかりという色気のないシチュエーションでしたが、監督さんが即興?でいっぷう変わった演出を試みたりして、これはこれで新鮮な体験となりました。
で、午後4時に終了、「待ち時間が長かったけど、まあ楽しかった」とか思いつつ帰りの電車に乗った直後。「ロケ現場に衣裳バッグを忘れた」ことにいきなり気がつきました。
エキストラは移動の多い仕事ですし、荷物も多くなる傾向が強く、それだけに忘れ物・落し物をしないよう毎回自分なりには気をつけてるつもりではあるのですが......それでも「魔が差す」というか、何かふっと別のことに気をとられて「やってしまう」のですよね。こういうときってホント、周囲にも迷惑かかるし、自分で自分がちょっとイヤになってしまいます。
とにかく、あわてて次の駅から引き返したところへエキストラ事務所から連絡があり、
・忘れた荷物はマネージャーさんが気づいて確保してあるけれど、もう撮影隊といっしょに次のロケ現場に出発してしまった。もう1つあとのロケが都心某所で行われる予定なので、そちらに先回りして待っていなさい。
......という指示。
というわけで、身から出たサビとはいえ、その「次の次の(自分が出演するわけではない)ロケ現場」まで行って、そこで撮影隊の到着を待つという情けないことになってしまいました。さほど遠回りせずに済む「都心」方面だったのはまだしも幸いでしたが、とはいえ「6時前には自宅に着いてるかな」という感じだったのが結局「9時過ぎ帰宅」ということになってしまいました。
ただ、この「夜の部」の撮影現場には、同じプロダクションの(昼間とは別の)エキストラの人たちが集合しており、何人かは顔見知りだったおかげで、あれこれおしゃべりしながら待つことができ、寂しい思いや不安な思いを味わわずに済みました。けっこう、痛い経験をもってる人が多いようで、ヘンに忘れ物談義で盛り上がったりして......(^^;。
その上、実はこの「夜の部」のロケ現場というのが、都心には珍しい鬱蒼とした緑の中にたたずむ、明治時代に建てられたという巨大木造建築。「神田川のページ」の運営者としてはむしろ千載一遇の機会っていうか、「忘れ物したおかげで、通常は非公開の、知る人ぞ知る明治の名建築の内部に足を踏み入れた」という格好になってしまいました。
だからといって、もちろん「二度と忘れ物はしたくない」のには違いないのですけど。
そういうわけで、本来の拘束時間約8時間プラス忘れ物受取のための回り道数時間、自宅を出てから帰宅までの所要時間約14時間半、長い長い「2005年初エキストラの1日」だったのですが、実際には撮影隊やマネージャさんはもっと早起きして夜遅くまで仕事してるわけで。いやはや、なんともハードな業界ではありますね。