自分が登録している事務所の話だけでは汎用性がないし、かといってあちこちの事情を詳しく知ってるわけでもないので、正直、あまり深入りしたくない話題ですけど(^^;、そういうことが知りたくてこちらにアクセスされるヒトもいらっしゃるみたいですので、「出演料」について少しだけ(自分のわかる範囲で)触れておきます。
まず、下記のような募集ルートを通じてのエキストラは、原則「無報酬」「交通費などの諸経費も自腹」です。
・テレビ局や映画製作会社が自ら臨時に募集(不特定多数に対する公募)するもの。
・地域ごとのフィルム・コミッション団体などが、エキストラ登録制度を設けている場合。
・フジテレビクラブ、日テレサポーターズ・クラブなどの「ファンクラブ系」。
これらの場合、「あこがれのスターに接近遭遇できる」「撮影現場の様子をつぶさに観察できる」「地域振興に役立つ」「何か特別な記念品がもらえる」など、お金以外の面でのメリットが「報酬」ということになります。
一方、いわゆる「エキストラ事務所」を介してのエキストラの場合は、おおむね次のような条件での報酬が得られます。
・4~5時間以内までなら定額(1本の仕事につき数千円程度)。
→所要時間が長い場合は割り増しがつく場合がある(額はあんまり期待しないほうがいいと思いますが)。
→条件がなんらかの意味で高度(というか「キツい」)場合、まれにその分の割り増し手当てがつく場合がある。
・集合場所(ロケ現場の最寄駅など、そのつど指示される)までの交通費は原則自己負担。
→ただし都心から遠い場所での集合・解散の場合、補助が出る場合も多い。
・現代劇の通行人役用の普段着、スーツ、礼服など、典型的な衣裳は自前が原則。
→警官役の衣裳など特殊なものは製作側が用意。
・「やりたい日」(都合がつく日)にだけやればよく、その意味でのスケジュールの自由度は高い。
→自分がやりたい日にちょうど仕事があるかどうかは保証の限りではない。
→連続ドラマなどでは「レギュラー」的な仕事が入る場合もあり、この場合は撮影日程に縛られることになる(むろん、そういう仕事をそもそも希望しなければ問題ない)
・撮影参加中の食事は(いわゆる「ロケ弁」が)支給されることが多い。
→これは現金収入ではないけれど、食費が浮く。
まあそんなわけで、絶対的にはあまり「ワリがいい」とは言えないでしょうが、「1時間で終わっても数千円」というところに着目すれば「時給数千円になることがある」ともいえますし、
・衣裳類は手持ちのもので大体間に合う。
・都心(山手線内とか)在住か、あるいは都心までの定期券を持っているため、交通費の負担は軽い
といった「経費」関連の好条件が加われば、「それなりにまとまった収入」が期待できなくもない、とはいえるでしょう。
そういうボクの場合は、
・サラリーマン経験がないのに回ってくる役柄はたいていその類なので、スーツやコート類など、エキストラ用に新規購入した衣裳がけっこう多い。
・最寄りの私鉄の運賃が高く、都心まで往復すると最低でも千数百円かかってしまう。
・そんなにしょっちゅうやってるわけじゃないため、経費回収のペースが遅い。
......などのマイナス条件が重なっており、7か月以上が経過した今もまだ、トータルでは「赤字」です。
でもまあ「いろいろ面白い体験をさせてもらって、しかも経費がある程度回収できる」というふうに捉えれば、同じ時間に何かほかのこと(単なるお散歩とか(^^;)をやっているよりははるかに「儲かっている」ともいえそうではあります。