終了:2011年頃
建物落成: 1934年
創業: 1957年
確認: 2023年2月 1日
- 九段下交差点そば。瓦屋根をかぶった和洋折衷(帝冠様式)の不思議な建物は、「軍人会館」として新築された戦前からのもの(昭和9年竣工)。戦後の米軍の接収(宿舎等に使用)を経て昭和28年「九段会館」となり、昭和35年に宿泊・食堂部門が再スタート。以降も丘の上の日本武道館とともに九段下のランドマークだった。
- 正面入り口は公会堂・宴会場への入り口で、ホテル部門は背後の別の建物にあり、シングル、ツインに加えて和室も充実していた。
- 2011年3月11日、東日本大震災により大ホール天井が崩落、開催されていた「東京観光専門学校」の卒業式出席者から2名の死者と34名の重軽傷者が出て営業休止、そのまま同年4月12日付で廃止、という結果に至った。 事故が起きたのは本館側だったのだが、小規模な別館が主だったホテル部分も運命をともにした格好。
- 敷地は国有地で、日本遺族会に無償貸与されていた。2014年9月時点ではまだ建物はそのままだが、民間企業に土地を貸し付けて解体・高層ビル建築をゆだね、完成したビルの一部を国が遺族会に無償で貸して遺族会事務所にあてる計画が立てられた。
- 2017年9月、東急不動産が土地・建物を落札。2019年9月に建て替え事業の詳細が発表され、旧本館の外観を維持しつつ補強・復元し、背面に17階建て高層ビルを建設することが明らかになった。事業主体は同社と鹿島建設が出資する合同会社ノーヴェグランデが担当する。
なお、ほぼ同じタイミングで「登録有形文化財」に登録された。
計画では、本館内の宴会場「真珠」「鳳凰」は創建時の内装に復元されてカンファレンス施設等として使用。高層ビルはオフィス、店舗が入居する複合ビルで、保存部分の屋上は庭園、お堀端にはテラスを整備、親水空間として提供される。竣工は2022年7月予定。残念ながらホテルとしての使用予定はない。
- 以下はホテル部門が存在した旧・九段会館の詳細情報をそのまま残しています。↓
- 隣接する九段会館大ホール(1112人収容)のクラシックな内装は一軒の価値あり。映画『ALWAYS続・三丁目の夕日』『クローズド・ノート』などでもロケに使われた。
- 屋上、緑のビアガーデン「麦酒友達(ビアフレンズ)」を5月~9月下旬まで営業。期間中無休。
- このホテルが詳しく紹介されている資料書籍
・クラシックホテル案内 甲斐みのり著 by ベストセラーズ (2007/03)