<はじめに>(から抜粋)
エキストラは「映像製作業界真っただ中」に足を踏み入れるわけで、そこでは一般人には意味不明な業界コトバがスタッフ間でびゅんびゅん飛び交っていたりします。
インターネット等での一般公募エキストラは「初心者のみなさん」という前提で接してもらえるのが普通ですから、あらかじめそうした業界コトバを知ってる必要は特にありませんが、「知っていたほうが楽しめる」面はあるでしょうし、エキストラ事務所からの派遣の場合には、ある程度は知っておいたほうがよいコトバもあります。
というわけで、知ってれば知ってるだけ楽しめるかもしれない「用語集」のページを作ってみました。 随時追加・訂正していく「つもり」ですので、折々ご参照いただければ幸いです。
※緑色の見出しはエキストラ事務所関連でよく使われる用語です。
- 衣装合わせ・カツラあわせ
- ラフ
- ジャケット系
- ダブルか三つ揃い
- 2の字
- ヒヤメシ
- よごし
- ラフ
※緑色の見出しはエキストラ事務所関連でよく使われる用語です。
- 衣装合わせ・カツラ合わせ
- 撮影本番とは別の日に、スタジオにある衣装部の部屋などを訪れて、本番用の衣装を実際に着てみるなどしてあらかじめ決めておく作業。時代劇などのカツラも同様で、頭にあうカツラを事前に用意しておくことがある。正規のキャストなら普通にあることだが、エキストラの場合はあまりこのような機会は多くない。
- ラフ
- 自前衣装の指示の決まり文句のひとつで、いわゆる普段着、カジュアルウェアのこと。「スーツで」「礼服で」などの指定との区別にすぎないので、荒々しいという意味での「ラフな」ファッションである必要はない。
- ジャケット系
- 「ジャケット」は本来は上着全般を示す広い意味のコトバだが、衣装指定として「ジャケット系」のように言われた場合はずっと狭く「上下揃いではない背広仕立てのジャケット(テーラードジャケット)」の意味で用いられることが多い。たとえばダウンジャケットやミリタリージャケットなどは「ラフ」の範疇に入るので、そういった類のジャケットで現場に行くとヒンシュクを買う可能性がある。
- ダブルか三つ揃い
- 企業重役など「えらいひと」の役柄の際によく指定される。
- 2の字
- 撮影用にハンガーにかかった衣装を貸与され、撮影終了後に返却する場合、よく「ハンガーは必ず2の字にして返してください!」のような注意がスタッフからなされる。特に注意がなくても同様で、衣装をハンガーにかける場合、フック部分が衣装正面から見て「2」のかたちになるようにする。
- ヒヤメシ
- 冷飯草履(ひやめしぞうり)。時代劇などで使われる藁でできた粗末な草履のこと。
- よごし
- 災害現場、ホームレス役、その他役柄やシチュエーションにあわせて衣装、顔・手・足などを文字通り「汚す」こと。はなはだしい場合は「血糊」でべしょべしょにされたりする。このような役柄の場合は衣装部が用意した「汚し用」の衣装を着る場合が多いが、「汚れてもかまわない自前衣装持参で」と指示されることもある。その意味ではエキストラにとっては「どんなボロ着でも捨てずにとっておけば、いつか役にたつ可能性がある」ともいえる。