<はじめに>(から抜粋)
エキストラは「映像製作業界真っただ中」に足を踏み入れるわけで、そこでは一般人には意味不明な業界コトバがスタッフ間でびゅんびゅん飛び交っていたりします。
インターネット等での一般公募エキストラは「初心者のみなさん」という前提で接してもらえるのが普通ですから、あらかじめそうした業界コトバを知ってる必要は特にありませんが、「知っていたほうが楽しめる」面はあるでしょうし、エキストラ事務所からの派遣の場合には、ある程度は知っておいたほうがよいコトバもあります。
というわけで、知ってれば知ってるだけ楽しめるかもしれない「用語集」のページを作ってみました。 随時追加・訂正していく「つもり」ですので、折々ご参照いただければ幸いです。
- [なんとか]組
- トラ、EX(イーエックス)
- 内トラ
- スタンドイン
- 俳優部
- 演出部
- AD
- 製作部
- プロデューサー
- ライン・プロデューサー
- トラ、EX(イーエックス)
- [監督の名字]組
- その監督の指揮下で製作・撮影される映画(またはドラマ)のプロジェクト/スタッフ全体を指すことば。
「××組」といえば、故・黒澤明監督の「黒澤組」のように、「高名な監督が映画を撮る際に、毎回はせ参じるベテラン職能集団」みたいなイメージが世間的には強いが、実際はもっと事務的というか実用的というか、「簡潔で扱いやすく、途中で変更が生じにくい略称」として多用されており、たとえば郵便物も「××撮影所内 スタッフルーム××号 ××組御中」のような形式でちゃんとスタッフに届く。 - トラ、EX(イーエックス)
- エキストラのこと。
- 内トラ
- 内輪の人間、つまり撮影関係者が自ら臨時にエキストラをつとめること。
- スタンドイン
- カメラの位置決めや照明調整など、撮影準備に時間がかかる場合、まだ俳優を現場に入れずに代理の人をその位置において作業されることが多い。この「代理の人」をスタンドインと呼ぶ。
手すきのスタッフが臨時につとめることも(非常に)多いが、作業に精密さが必要な場合、身長・体型が似通ったエキストラ/俳優が選考されて呼ばれ、俳優と同じ衣装を着るなどして、もっぱら特定の俳優の代理をつとめる場合もある。完成映像に残らないとはいえ、いわば「主役級キャストの気分」を味わえることになる。 - 俳優部
- 主要な被写体となる演技者(エキストラを除く)のこと。その他「撮影部」「演出部」「美術部」「照明部」「製作部」など、各担当パートは「......部」と呼ばれることが多い。
- 演出部
- 監督、助監督(助監)の総称。助監督は複数人が役割を分担することが多く、特に「チーフ助監督」は監督の直接の手足となる重要な存在。
エキストラに演技を指示するのはセカンド、サード......など、少し下の序列の助監督であることが多いが、監督やチーフ助監督から直接指示された場合は当然そちらが優先される。 - AD
- アシスタント・ディレクター。テレビ局用語。ドラマや映画の撮影現場では「助監督」と呼んだほうが無難。
- 製作部
- 予算管理、撮影許可、ロケ弁やロケバスの手配、エキストラ確保、現地での交通整理などなど、とにかく「撮影そのもの」以外の映像製作周辺業務いっさいを取り仕切る部門。
- プロデューサー
- 当該映像作品の企画・製作全般を仕切る、会社でいえば社長さん的な立場の人。(エキストラが使うシチュエーションはあまりないだろうが)「P」と略されることがある。
- ライン・プロデューサー
- 現場の諸実務担当責任者は「ライン・プロデューサー」(略称「ラインP」)と呼ばれることがあり、この場合は会社でいえば部長クラス?の立場。