ジャズ/フュージョンの伝説的グループ「ウェザー・リポート」。
その代表曲のひとつ「ブラック・マーケット」のライブ映像をたまさかYouTubeで見つけて再生してたら、ジョー・ザヴィヌルがキーボードを弾く手もとがアップで映る箇所があって......どうもその手の動きに違和感がある。
巻き戻して(死語か?)じっくり見てみたら、違和感の原因がわかってきた。なんと、主旋律を弾くキーボードの左右(=高低)が逆なのだ。
あらためてWEBを検索して調べた結果によれば、スイッチ一つで左右を切り替えられる機能がついた、当時世界最先端なキーボードということらしい。
なるほどなるほど。たとえば右利きの書道の達人があえて左手で書くことで、独特な味が備わった書を生む......みたいな境地、とでもいうんでしょうか。
この曲の「のどかで素朴でちょっとたどたどしくて、なんだか耳に残る」主旋律の裏に、実際に「あえて不慣れな指づかいで演奏した」ことが多分に影響していたようだ。
「ブラック・マーケット」を初めて聴いたのはまだ大学生の1976年ごろ。以来かれこれ50年近くたってから初めて知る事実なのでした。