エキストラ用語帳/移動、集合、スケジュール調整関連

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<はじめに>(から抜粋)
 エキストラは「映像製作業界真っただ中」に足を踏み入れるわけで、そこでは一般人には意味不明な業界コトバがスタッフ間でびゅんびゅん飛び交っていたりします。

 インターネット等での一般公募エキストラは「初心者のみなさん」という前提で接してもらえるのが普通ですから、あらかじめそうした業界コトバを知ってる必要は特にありませんが、「知っていたほうが楽しめる」面はあるでしょうし、エキストラ事務所からの派遣の場合には、ある程度は知っておいたほうがよいコトバもあります。

 というわけで、知ってれば知ってるだけ楽しめるかもしれない「用語集」のページを作ってみました。 随時追加・訂正していく「つもり」ですので、折々ご参照いただければ幸いです。

おまかせ
一人現場
予約
先押さえ
書類選考
ばらし/ばらす
つながり
レギュラー
合同/合同現場
ヘルプ
メシずみ
ギャラ日
宅送、タク送
割り本
香盤/香盤表/日々スケ

※緑色の見出しはエキストラ事務所関連の用語です。ボランティア参加エキストラの場合は、あまり関係ないかと思われます。

おまかせ
エキストラ事務所からの派遣では、基本的にマネージャーが撮影現場に同行し、点呼や撮影参加中の各種指示などを行うが、同じ日に多数の撮影があってマネージャーの手があいていない場合など、もろもろの事情でマネージャーが撮影現場に同行しない(できない)場合がある。これが通称「おまかせ」。
当日参加するエキストラのうち、自宅にファックスの設備がある人 (現地地図や名簿を送る必要がある場合)、あるいは「信頼できそうなベテラン」などが指名され、点呼や事務所への連絡、集合場所から撮影現場への誘導などを代行する。
一人現場
エキストラが一人だけで派遣されること/そのような撮影現場。
常にあてはまるとは言い切れないが、おしなべて多人数の現場よりスタッフの対応が丁寧で、一人前の俳優気分を味わえたりする。待ち時間のヒマさ、心細さなどのマイナス面もあるため、人によっては苦手としている場合もあるようだ。
予約
一部のエキストラ事務所で行われている方法。前日の一定時刻までに事務所に電話またはメールで「明日はあいてます」と意思表示し、夕方もう一度電話をかけて、自分に向いた役柄があれば紹介してもらうという仕組み。
先押さえ
エキストラ事務所による紹介は、原則的には「前日に自分から連絡して明日の仕事を紹介してもらう」パターンになるが、下記のような場合は、事前にエキストラ事務所側から各人に連絡が入り、「×月×日はスケジュールを空けておいてください」と頼まれることがある。
・非常に多人数のエキストラを必要とすることが事前にわかっており、直前だけでは集めきれないことが予想される場合。
・依頼主側の要望を満たす人材が(風貌、特殊技能、技量等、なんらかの意味で)限られている場合。
書類選考
エキストラ事務所が顔写真等を提出した候補者中から、製作者側が簡単な選考を行う......という手順がとられるケース。必然的に「選考から漏れる」可能性があるが、決定までは言われたスケジュールを空けておく必要がある。
ばらし/ばらす
解散、中止(する)。
つながり
ひとつの作品に同一の役柄で複数回参加すること。
レギュラー
連続ドラマなどで、同じ役柄でコンスタントに呼ばれる機会がある状態。たとえば主人公の職場の同僚役など、役柄として難しくはないけれど「常に同じ人がベター」な場合に設定される。「急な日程変更や追加にも、柔軟に対応できる人」「撮影が深夜までかかる可能性があるので、なるべくスタジオから近い人」など、通常より細かな選考条件が付随しがち。
合同 / 合同現場
A社から100人、B社から50人などといった具合に、複数のエキストラ事務所から1作品にエキストラが派遣されている撮影現場。ボランティアを募集しない、あるいはボランティアも募集しているけれどそれでも足りない場合など、とにかく多人数の確保が必要な撮影で、しばしばみられる。
ヘルプ
複数の作品の撮影日程が集中したり、特定の年齢・風貌のエキストラが1事務所だけで確保しきれない場合などに、あるエキストラ事務所が他の(懇意にしている)エキストラ事務所からも若干名の人員を「借りる」かたちで派遣エキストラを確保すること。
ヘルプとして派遣されたエキストラの出演料は、自分が登録している事務所側の計算方法で処理されることが多い。
メシずみ
食事をすませて集合、という指示。たとえば「集合時刻は午前11時台だが、昼食は出ないので先に済ませてきてください」といった趣旨。その他一般に食事のことは「メシ」と短縮して呼ばれることが多い。
ギャラ日
出演料支払日。毎月きまった日に、直接エキストラ事務所に受け取りにゆかねばならない場合が多い。
宅送、タク送
撮影が深夜に及んだ場合に、スタッフや出演者、エキストラを製作会社側が用意したクルマ(タクシー等)で自宅まで送り届けること。
エキストラの必要人数が多い現場では、経費節減のため終電までに帰してもらえる場合も多いが、「自宅がロケ地から遠くない順」に何人かが残され、最終的にタク送、というかたちになるのも典型的パターン。
割り本
1日または数日分の撮影日程に該当する部分だけ抜書きした台本。学校の遠足の「旅のしおり」みたいに、各ロケ地の地図、日程表など、必要な情報が1冊にまとまった体裁になっている。
通常エキストラには配布されないが、当日立ち会うエキストラ事務所のマネージャーは1部受け取って持っていることが多い。
香盤/香盤表 / 日々スケ
演技者の役柄と参加シーンを書き込んだ一覧表。スタジオに掲示されたり、割り本の巻末などにも掲載されている。エキストラは「EX」として載っていることが多く、見れば「どのシーンで出番があるか」の見当がつけられる。