親許を離れ、東京都中野区上高田の老夫婦宅2階の四畳半に下宿。仕送りは2万5千円、家賃は8千円と格安。
トイレも水道も1階に降りなければない上、床は傾いているし夏の暑さは尋常じゃないし、今から思えばものすごいところだったのだけれど、一人暮らしがうれしくてしかたなかった当時なので、ほとんどそういったことは気にならなかった。
8月11日、「ヨーコ・オノ&プラスチック・オノ・スーパーバンド」の中野サンプラザ公演に行く。同級生の佐川俊彦君が「券があるんだけど行けなくなった」といってタダでくれたのだったと記憶している。
この佐川君は、のち「サン出版」に入社して「ジュネ」「小説ジュネ」などを生み出した人物だが、当時は単なるSF/ミステリ/マンガ好きの青年であった。