1973(S48)

 春休みは船橋の高架下のショッピングセンターにあった「弘栄堂書店」のレジ係の長期アルバイトをして過ごし、たまったバイト代でステレオを購入する。
 4月、早稲田大学第一文学部に入学。入学式は反革マル派学生が乱入して中止となる。
 前年の「川口大三郎事件」の余波で学内が荒れていた時期であった。日常の学業にはそれほど深刻な影響はなかったが、文学部の入り口がロックアウトされていたり、講義が中止になるといったことは「わりとよくあること」ではあった。
 このころの早大一文は専攻が3年次に決まるしくみで、いろいろ考えた末に演劇(現・映像演劇)を選択したが、それはあとの話になる。
 早稲田大学漫画研究会と同大学交響楽団に入部。近衛秀麿、渡辺暁雄といった一流指揮者のタクトを体験する。
 しかしバイオリンは弾けてもクラシック音楽には興味がなく、必然的に他の同学年の部員とは話があわない上、バイオリン自体もいまいち性にあわないという気持ちがつのってきていたため、結局、交響楽団のほうは夏に「惜しまれつつ退部」してしまった。今でも、トランペットとかのほうがずっと性に合っていそうに思っている。
 この年はバイトの口が非常に探しやすく、郵便物発送、ビラ配り、ダイレクトメール発送、映画の巡回上映業者の助手(夏はもっぱらこれ)、週刊漫画サンデーの「お使いさん」、歳末には三越本店おもちゃ売り場の実演販売などを体験。