IBM JX

Ibmjx5_a  日本アイ・ビー・エムが1984年暮れに発売開始した16ビットパソコン。
 前年からパソコンの購入検討中で、しかし当時すでに主流だったPC98は、ぼくから見れば、
・表示フォントがダサい
・画面の解像度が低い
・値段がけっこう高い
・ワープロと比べて、日本語入力にはあまりにキーボードが不便な設計
  ※スペースバーで変換できる"ATOK"はまだ出ていなかった。
・すでにワープロが部屋にある環境に置くには、図体がちょっとデカすぎる
 ......など、問題だらけでなかなか食指が動かなかったのだ。そこにタイミングよく出て来たのがJXで、
・PC98よりずっと「ワープロ」しやすそうなキーボード。
・720X512ドット画面の拡張表示モード
・海外のソフトが使える英語モード。
・今後主流になると予想される3.5"FDD
・小さめの匡体
 ......など、ぼくとしてはけっこう魅力を感じ、とうとう初めてのパソコン購入を決断した。
 ただ、CPUの基本性能がPC98より低レベルだったこと、初のパーソナル市場進出とあって日本IBMの販売態勢にも問題があった......など、種々の要因で、結局この機種は「売れなかったことで有名なマシン」というなさけない結末に終わり、ぼくも以後数年間、「マイナー機種ユーザーの悲哀」を味わうはめになる。

※写真は翌年に出たほぼ同型のパワーアップ版「IBM-JX5」。その後、愛知県の某大学からの依頼で譲渡。